須田春海採録3 環境自治体 | |
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著 須田春海(市民運動全国センター代表世話人) |
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書き綴られたアースデイニュース巻頭言等、主要な論考を収録
日本の地域社会は、21世紀に入ってから大きく変わりつつある。一つは、市町村合併で伝統的地域社会が様変わりしつつあること。もう一つは急ピッチの高齢化で、それまでの居住地で生活を続けることが困難な層が各所の生まれていること。そしてなにより、伝統的地域公共事業が大幅に縮小され、雇用の場も失われつつある。市場原理偏重の政治経済政策は、東京一人勝ちの地域構造が生み、地域の経済力を極端に衰弱させた。…では、日本の地域社会はもう立ち直れないのか。そうではあるまい。環境自治体会議をつくるときにお世話になった丸谷金保(元北海道池田町長)は…口癖のように強調する。「大地があり、人がいれば、必ず新しい生活が開ける」と。…農本主義に学んで、何ものにも左右されない現代的地域社会づくりへ挑戦してみる時期が到来している、と考えるべきであろう。環境問題もこの哲学の中でしか解決できないであろう。…自給主義はなにも古典的アウタルキーに回帰するものではない。どのように形づくるか難しいが、世界的・地域的相互依存を所与のものとした上で、なお地域が自律する姿が望ましい。このような地域像を追い求め、かつ実践したいものである。
(本巻収録「市民活動と市民参加」より)
目次
第1章 環境問題をめぐる論考
1990年代の地球環境に関する市民運動の動向について
──初出:佐和隆光・連合総合生活開発研究所編『環境新時代への挑戦─循環型社会の実現をめざして』(第一書林・2000年6月)アセス制度と市民参加──直接請求運動の体験から
──初出:『地方自治通信』1980年11月号(地方自治センター)環境主義の時代
──初出:須田春海・熊本一規・田中充編『環境自治体の創造』(学陽書房・1992年12月)地球環境時代の自治体の国際協力
──初出:寄本勝美編『地球時代の環境政策 21世紀の地方自治戦略14』(ぎょうせい・1992年12月)環境基本法=市民草案とはなにか
──初出:リサイクル文化編集グループ編『検証:環境基本法』(リサイクル文化社・1995年12月)
第2章 アースデイ
アースデイニュース巻頭言
『地球を救う133の方法』─はじめに
──初出:須田春海・久保田裕子・中村秀次・日比野純子編『地球を救う133の方法』(家の光協会・1990年12月)『豊かさの裏側─私たちの暮らしとアジアの環境』─はじめに
──初出:須田春海・久保田裕子・中村秀次編『豊かさの裏側─私たちの暮らしとアジアの環境』(学陽書房・1992年5月)アジア各国の環境規制を考える
──初出:須田春海・久保田裕子・中村秀次編『豊かさの裏側─私たちの暮らしとアジアの環境』(学陽書房・1992年5月)共に生きる道をもとめて
──初出:須田春海・久保田裕子・中村秀次編『豊かさの裏側─私たちの暮らしとアジアの環境』(学陽書房・1992年5月)『ゆがむ世界 ゆらぐ地球』─はじめに
──初出:アースデイ日本編『ゆがむ世界 ゆらぐ地球』学陽書房・1994年7月)広がる格差
──初出:アースデイ日本編『ゆがむ世界 ゆらぐ地球』学陽書房・1994年7月)傷つけ合う民族と頻発する紛争
──初出:アースデイ日本編『ゆがむ世界 ゆらぐ地球』学陽書房・1994年7月)広がるNGOの役割
──初出:アースデイ日本編『ゆがむ世界 ゆらぐ地球』学陽書房・1994年7月)自治体が地域と世界を結ぶ
──初出:アースデイ日本編『ゆがむ世界 ゆらぐ地球』学陽書房・1994年7月)『地球環境よくなった?』 ─はじめに
──初出:アースデイ2000日本編『地球環境よくなった?』(コモンズ・1999年10月)環境の世紀への助走─1990年代
──初出:アースデイ2000日本編『地球環境よくなった?』(コモンズ・1999年10月)『地球と生きる133の方法』─はじめに
──初出:アースデイ21編『地球と生きる133の方法』(家の光協会・2002年8月)地球と生きる人びとの活動
──初出:アースデイ21編『地球と生きる133の方法』(家の光協会・2002年8月)一人ひとりのアースデイを広げよう!
──初出:アースデイ21編『地球と生きる133の方法』(家の光協会・2002年8月)
第3章 環境自治体と市民運動
『日の出ごみ処分場問題〈解決への提言〉』─はじめに
──初出:市民合同調査団編『日の出ごみ処分場問題〈解決への提言〉』(リサイクル文化社・1996年4月)試練を超える企て
──初出:環境自治体会議『環境自治体白書 2005年版』(生活社・2005年5月)「先に知った者」の責任
──初出:環境自治体会議『環境自治体白書 2006年版』(生活社・2006年5月)自治体の総合力が問われる時代
──初出:環境自治体会議『環境自治体白書 2007年版』(生活社・2007年5月)待ったなし! 地球温暖化防止政策の実行
──初出:環境自治体会議『環境自治体白書 2008年版』(生活社・2008年5月)持続可能で強固な地域社会を
──初出:環境自治体会議『環境自治体白書 2009年版』(生活社・2009年5月)権益に固執する人は即刻会場を去れ!
──初出:『COP3通信 Kiko』◆京都◆ 12月9日 まだまだ号 (1997年12月9日)から(気候ネットワーク)ごみの自治の確立を求める
──初出:『ごみの自治の確立を求める提言』(23区プラスチック懇談会・2010年7月)
第4章 寄稿編
「須田学校」としてのアースデイ連絡所
――廣瀬稔也・眞淳平・冨田行一・橋本治樹・野田賢二・小林幸治ごみ問題―須田春海さんの軌跡
――中村秀次・山本義美・庄司元温暖化問題と須田春海さん
――早川光俊・浅岡美恵・平田仁子・桃井貴子須田春海さんと環境自治体
――田中充・先崎千尋・竹下涼子・中口毅博・増原直樹
著者
須田春海(市民運動全国センター世話人)
1942年生まれ、
都立大学中退。
東京都政調査会勤務を経て、市民運動全国センター世話人
(1980年〜現在)。
環境省・全国温暖化防止活動推進センター長、法政大学大学院客員教授、太陽光発電所ネットワーク代表などを歴任。
現在、市民立法機構共同事務局長/ 環境自治体会議事務局長/
気候ネットワーク副理事長などを兼務。
編著
- 『政策提案型市民運動のすすめ』(社会新報ブックレット)
- 『環境自治体の創造』(学陽書房)
- 『市民立法入門』(ぎょうせい)など。
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