『環境自治体白書2016-2017年版―外の力を活用した持続可能な地域づくり』 | |
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編 中口毅博+環境自治体会議環境政策研究所 |
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外の力を活用した持続可能な地域づくり
全国自治体の環境教育政策の調査結果を公開!
「土の人」(地元住民)が気にも留めていなかった地域資源が、「風の人」=(地域外から来た人)から言われて大変価値のあるものだと「土の人」は気づく。地域資源活用論でよく紹介されるフレーズだ。(中略)
中山間地域に多く入っている「地域おこし協力隊」の人達は、「風の人」として地域づくりに関わって行く中で、日々新たな発見の連続であろう。実は「助ける側」である協力隊のほうが助けられているのである。彼らが仮に3年間でその地を去って行ったとしても、情報や経験が蓄積され、他の地域の支援に活かされていくのだ。(中略)
このように、「風の人」と「土の人」の相互作用は、学習のスパイラルによって熟度を増していく。相互作用のプロセスで蓄積された情報やつながり(ソーシャルキャピタル:社会関係資本)という“血液"が、地域全体にくまなく送り続けられている自治体のことを、私は「持続可能な自治体」と呼びたい。本書がそのような「持続可能な自治体」をつくるヒントになれば幸いである。
目次
第1部 外の力を利用した持続可能な地域づくり
第1章 外の力を利用とは
外の力の利用形態と利用における留意点
環境自治体会議事務局長 中口 毅博
地域資源と地域内外の主体の関わり方
法政大学サステイナビリティ実践知研究機構教授 白井 信雄
第2章 外の力を利用した持続可能な地域づくりの事例
ベンチャーの力と協働した地域資源活用の事例
西粟倉村産業観光課長 上山 隆浩
外部の人材・資金を活かした100 平方メートル運動の森・トラスト
斜里町総務部環境課長 茂木 公司
【特別取材】ドイツ・フライブルクの環境学習支援施設
環境自治体会議事務局長 中口 毅博
上智大学(元フライブルク大学交換留学生) 新田 純奈
第2部 各地で進む持続可能な地域づくり
第3章 地域における市民・自治体・企業の取り組み─東京会議から
自治体における温暖化防止・エネルギー政策の現状と課題
環境自治体会議環境政策研究所長 中口毅博
自治体が取り組む新電力、中之条電力の設立と電力自由化への取り組み
一般財団法人中之条電力代表理事 株式会社中之条パワー代表取締役 山本 政雄
地域環境権を活かしたまちづくり
長野県飯田市環境モデル都市推進課主事 小林 晋
分散型エネルギーインフラ導入の検討について
奈良県 中野順平 浦田 明 島 友紀
国際航業(株) 荒川 仁 高村浩之 池畑浩一 飯尾圭造
官民協同による自治体PPS(地域新電力)事業
パシフィックパワー株式会社代表取締役 合津美智子
竹林は地域の宝だ!!
NPO 法人グリーンネットワーク理事長 佐野孝志
第4章 環境自治体会議会員自治体の優良事例
魚沼市におけるオキナグサの保全活動
新潟県魚沼市環境課環境対策室 大塚宣男
森林が元気に! 地域も元気に! 森林活プロジェクト実施中!
三重県松阪市 林業振興課/環境・エネルギー政策推進課
環境スペシャリスト発掘講座・・・足立区環境政策課 鳥居 勝昭
第3部 持続可能な地域づくりの今後の展望
第5章 持続可能な地域づくりの今後の展望
エリアマネジメントの展開と今後の展望
法政大学現代福祉学部教授 保井 美樹
気候エネルギー自治を通じた地域創生と地球貢献─日本版「首長誓約」
名古屋大学大学院環境学研究科附属持続的共発展教育研究センター 杉山範子
生物多様性分野における共通目標設定の考え方と方法
芝浦工業大学非常勤講師 渋江 桂子
人口減少下で地域の資本基盤を持続できるか
千葉大学大学院人文社会科学研究科教授 倉阪秀史
資料編
全国市区町村の環境教育政策の現状
環境自治体会議の組織概要
東京会議宣言
編著者紹介
中口毅博(環境自治体会議環境政策研究所所長)
芝浦工業大学環境システム学科教授( 大学院併任)
静岡県三島市生まれ。1983 年筑波大学第2 学群比較文化学類卒業。2001 年に東京工業大学で博士(学術)を取得し、2012 年より愛媛県内子町に住民票を移し首都圏との二地域居住を始める。自治体の環境政策、環境教育・ESD などの分野でアクションリサーチ(実践活動をしながら研究)を行っている。内子町の子ども達には「ながぐつ先生」として親しまれており、そのお母さん方と子どもの環境学習支援のNPO 法人も2016 年に設立した。主な編著書に『LAS-E でつくる環境自治体』『環境マネジメントとまちづくり─参加とコミュニティガバナンス』『環境自治体づくりの戦略─環境マネジメントの理論と実践─』など。環境科学会誌などに学術論文多数。
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